コーヒーは、世界で最も多くの国で
愛飲されている嗜好飲料です。
多くの疫学調査でその慢性的作用が
報告されていますが、1990年以前は
「コーヒーは体に悪い」という趣旨の
論文が多かったのに対し、
90年代以降はどちらかというと
「体に良い」という視点の論文が増えています。
コーヒーは抗酸化成分が豊富なので
アンチエイジング効果や
長寿効果が期待されてきましたが、
これまでコーヒー愛好家の寿命に関する
大規模研究は報告されていませんでした。
そんななか、米国国立がん研究所の
ニール・フリードマン博士らは
50~71歳の40万2260人の成人男女
(男性22万9119人、女性17万3141人)を
95年から2008年まで追跡調査し、
コーヒーの摂取量と死亡率との関係を分析。
追跡期間中に男性3万3731人、
女性1万8784人が亡くなりました。
フリードマン博士が亡くなった人を
生前のコーヒー摂取量で6グループに分けて
比較した結果、摂取量が多いほど
死亡リスクが低下することが明らかになっています。
男性では、コーヒーを全く飲まない人に比べ、
1日当たりの摂取量が、
1杯未満だと死亡リスクは1%低下、
1杯では6%低下、
2~3杯は13%低下、
4~5杯は16%低下、
6杯以上も15%低下していました。
女性も似たような傾向がみられました。
コーヒーを飲むことで心臓病、脳卒中、
呼吸器疾患、糖尿病、伝染病などの病気だけでなく
負傷や事故による死亡リスクも下がっていたのです。
カフェイン抜きのコーヒーでも
同じ傾向がみられたことは、
カフェイン以外の抗酸化物質や
フィトケミカル(植物由来の化学物質)が
重要な役割を果たしていることを示唆しています。
コーヒー愛好家にとってはありがたい報告ですが、
アンチエイジングの観点から
砂糖入りの甘いコーヒーはおすすめできません。
また
2015年春に国立がん研究センターが多目的コホート研究の成果として、 1日3~4杯飲む人の死亡リスクはまったく飲まない人に比べ24%低いことを発表しました。
なおコーヒーを 4杯飲んでいる人は、「うつ」リスクが 10%減少し、 カフェイン摂取が多い人は 17%のリスク低下が認められています。 また他の研究では、 コーヒーを1日3杯以上、飲むとがんの発症リスクが40~50%以上低下 また総死亡率も1日4杯、飲む人が最も総死亡率が低かった。 4杯以上になると飲む量が増えれば増えるほど、総死亡率は高くなっていくとなっています。 これらを総合すると、コーヒーの目安は1日に4杯を意識して それ以上は飲まないようにした方がいいでしょう。 またこれらに砂糖が含まれると、%は確実に減っていきます。
カフェインは夕方以降に飲むと、睡眠の質を落とすので 夕方以降は、摂取しないことをオススメします。 夕方、近くにコーヒーを飲みたくなったらデカフェ(ノンカフェイン)を 選ぶといいでしょう。
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